弁護士になるために必要な勉強時間は?司法試験・予備試験の合格にかかる時間、学生と社会人の違いを解説

弁護士になるために必要な勉強時間は?司法試験・予備試験の合格にかかる時間、学生と社会人の違いを解説

「弁護士になるには、どれくらい勉強しないといけないの?」
「司法試験や予備試験の合格に必要な時間って?」
「学生と社会人では、勉強時間にどんな違いがあるの?」

そんな疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

弁護士になるには、司法試験に合格する必要があり、そのためには長期間にわたる膨大な学習時間が求められます。

特に予備試験を経由するルートでは、基礎から応用まで幅広い範囲を効率よく学ぶ必要があり、限られた時間の使い方が合否を左右します。

学生と社会人では使える時間や学習環境に大きな違いがあるため、それぞれに合った勉強戦略が重要です。

この記事では、弁護士になるまでに必要な勉強時間の目安をはじめ、司法試験・予備試験それぞれの合格にかかる時間、学生と社会人の違いについて詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。

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目次

弁護士になるために必要な勉強時間は?

弁護士になるには、最難関国家資格である司法試験に合格しなければなりません。

また、司法試験は誰でも受験できるわけではなく、法科大学院を修了するか、難関試験の司法試験予備試験(以下、呼試験)に合格する必要があります。

ここからは、司法試験と予備試験の合格に必要な勉強時間について解説します。

司法試験合格までに3,000~8,000時間かかる

司法試験の合格に要する勉強時間は、一般的には3,000〜8,000時間が目安です。これは、司法試験の受験資格を獲得する期間を含めた時間です。

ただし、個人のバックグラウンドによって必要な勉強時間は大きく異なります。

法学部を卒業し、法律の基礎知識が身についている方であれば、比較的短い時間で合格レベルに到達できる可能性があります。

一方で、法学を学んだ経験がない方が法科大学院の未修者コースに進学する場合や、独学で挑戦する場合は、基礎から応用まで網羅的に学習する必要があるため、8,000時間かそれ以上の勉強が必要になることも珍しくありません。

また、法科大学院ルートで受験資格を得た人よりも、予備試験に合格した人のほうが、司法試験に合格するだけの実力が備わっている可能性が高いです。

そのため、予備試験合格後の司法試験対策としては、1,000時間程度の追加学習で合格するケースもあります。

すでに法律に関する知識がある程度あるのか、全く知識がない状態から学習を始めるのかで大きく異なるため、3,000〜8,000時間はひとつの目安として考えておきましょう。

予備試験合格までに3,000〜5,000時間かかる

予備試験に合格するまでに、3,000〜5,000時間かかる可能性があります。

司法試験の受験資格を得るための予備試験は、非常に難易度が高いことで知られています。

予備試験は、法科大学院修了者と同等以上の学識や応用能力、法律に関する実務の基礎的素養を有するかを判定する試験です。

そのため、法律基本7科目に加え、法律実務基礎科目や一般教養科目まで、非常に広範な知識が問われます。

合格率が例年3〜4%前後と極めて低いことからも、計画的かつ効率的な学習が不可欠です。

もちろん、司法試験の合格には、そこからさらに1,000時間〜3,000時間の追加学習も視野に入れなければなりません。

弁護士になるために1日に必要な勉強時間は?

個人差はありますが、弁護士になるために1日の勉強時間は8時間が目安です。

例えば、総勉強時間を5,000時間と仮定し、もし学習に専念できる環境であれば、1日に8時間以上の勉強時間を確保し、2年弱での合格を目指せます。

もし、3年での合格を目指すのであれば、1日あたり約4.5時間の勉強が必要です。

一方で、働きながら合格を目指す社会人の場合は、平日に確保できる勉強時間は3〜4時間程度が現実的です。

不足分を補うために、休日は8時間以上の勉強時間を確保するなどの工夫が求められます。

ただし、これらはあくまでも最短5,000時間で合格できるケースであり、総勉強時間が8,000時間となる場合は、1日8時間の勉強がさらに1年追加でかかる計算です。

司法試験の合格には、継続可能な学習スケジュールを組んで、それを毎日コンスタントに学習を続けることでが大切です。

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弁護士になるまでに何年かかる?学生と社会人の違い

弁護士になるまでの期間は、学習を開始するタイミングによって異なります。

司法試験に向けた学習を始めるのが、学生か社会人かで、勉強に専念できる時間や環境が違います。

そのため、弁護士になるまでにかかる年数にも差が生まれるのが当然です。

ここからは、学生から始めるケースと社会人になってから始めるケースに分けて解説します。

学生の場合は最短3年

学生が弁護士になるまでにかかる年数は、最短3年です。

ただし、大学の単位取得と並行して、大学在学中に予備試験に合格し、翌年の司法試験にも合格するという、極めて難易度の高いルートを想定しています。

大学在学中に勉強を始め、1日8〜10時間の学習を約2年間欠かさず行えば、合計で8,000時間の勉強を積み重ねることが可能です。

また、司法試験に合格した後、弁護士として登録するためには1年間の司法修習をz修了しなければなりません。

仮に在学中に司法試験に合格できた場合、1年休学して司法修習を修了すれば、在学中に弁護牛として登録することも可能です。

そのため、約2年間の学習と1年間の司法修習を滞りなく進められた場合、最短3年で弁護士なれる計算です。

社会人の場合は最短3~5年

社会人が働きながら弁護士を目指す場合、最短3〜5年程度の期間を見込むのが一般的です。

社会人は、日中のほとんどを仕事に費やすため、学習に充てられる時間が限られています。

平日の業務後や早朝、土日祝日を最大限に活用して、勉強時間を捻出しなければなりません。

仮に1日平均4時間の勉強時間を確保できたとして、5,000時間の学習量をこなすには約3年半〜4年かかる計算です。

5,000時間の学習で司法試験に合格できたとして、司法修習を終えて弁護士登録できるのは、勉強開始から約4年半〜5年です。

これは、社会人が毎日欠かさず平均4時間の学習を行い、5,000時間の学習で司法試験に合格できた場合という、非常に難易度の高いルートを想定しています。

司法試験合格には、8,000時間かそれ以上の時間がかかる可能性もあり、その場合は追加で2年の時間が必要です。

社会人で3〜5年で弁護士になれるのは、あくまでも最短でなれる計算であり、それ以上かかることも多いという点は留意しておきましょう。

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法科大学院と予備試験はどっちが早い?弁護士になるまでの年数

弁護士になるためのルートは、法科大学院を修了する方法と、予備試験に合格する方法の2つです。

ここからは、法科大学院ルートと予備試験ルート別に、弁護士になるまでの最短年数を解説します。

法科大学院ルートは最短6年

法科大学院ルートを選択した場合、4年制大学に入学してから司法試験に合格するまでの期間は、最短で6年かかります。

主な内訳は次のとおりです。

  • 大学の法学部:3年間
  • 法科大学院:2年間
  • 司法修習:1年間

※大学で法曹コースを選択している場合

大学の法学部で法曹コースを利用した場合、大学を3年で早期卒業でき、その後2年間の法科大学院の課程に進むことができます。

法科大学院の在学中に司法試験に合格し、修了後に司法修習を1年終えた場合、大学入学から最短6年で弁護士になれる計算です。

ただし、法曹コースを選択しない場合や、法学以外の学部を卒業する場合は、合計で7〜8年かかります。

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予備試験ルートは最短3〜5年

予備試験ルートは、最短3〜5年で弁護士になれます。主な内訳は次のとおりです。

  • 予備試験に合格:1〜3年
  • 司法試験に合格:1年
  • 司法修習:1年

1〜3年の学習で予備試験に合格した後、翌年の司法試験に合格し、翌年の司法修習を修了すれば最短3〜5年で弁護士になれる計算です。

予備試験ルートは弁護士になるまでの期間を短縮できる可能性があり、理論上の最短期間は3年です。

また、大学在学中に予備試験と司法試験の両方に合格すれば、在学中に弁護士になることもできます。

社会人の場合でも、働きながら3〜5年かけて予備試験に合格し、その翌年に司法試験に合格する人もいます。

予備試験は合格率が例年3〜4%前後と極めて難易度の高い試験ですが、予備試験ルートの90%以上は司法試験に合格しているのも特徴です。

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弁護士になるための勉強時間を確保するポイント

弁護士になるためには、数千時間という膨大な勉強時間を確保する必要があります。

特に、学業や仕事と両立しながら合格を目指す受験生にとって、計画的な時間管理は合否を分ける重要な要素です。

勉強時間を確保するポイントは次の3つです。

  • 学習計画を立てる
  • 日々の時間管理を徹底する
  • スキマ時間を有効活用する

それぞれ詳しく解説します。

ポイント①学習計画を立てる

膨大な試験範囲を効率良く学習するためには、綿密な学習計画を立てることが必要です。

まずは、試験本番日から逆算して、長期的な計画を立てましょう。

  • 「試験の1年前までに全科目の基礎インプットを終える」
  • 「半年前からは論文式過去問の演習に集中する」

など、大まかなマイルストーンを設定したら、そのための長期計画を月単位・週単位の中期計画に分解します。

さらに、「今日は民法の債権分野のテキストを読み、対応する短答式の問題を20問解く」というように、日々の具体的なタスクまで落とし込むことが重要です。

計画を立てることで進捗が可視化され、学習ペースを管理しやすくなり、結果としてモチベーションの維持にも繋がるでしょう。

ポイント②日々の時間管理を徹底する

学習計画を立て、毎日のタスクまで落とし込んだあとは、日々の時間管理まで徹底することが不可欠です。

まずは自分の1日の生活を客観的に見直し、勉強に充てられる時間を正確に把握することから始めましょう。

起床時間、通勤や通学にかかる時間、仕事や授業の時間、食事や睡眠時間などを書き出して、可処分時間を洗い出します。

そのうえで、「平日の朝7時から8時まで」「帰宅後の夜9時から11時まで」というように、勉強時間を生活のリズムに組み込み、固定化することが大切です。

スマホアプリや手帳を使って学習時間を記録することも有効な手段で、記録によって日々の努力が可視化され、達成感を得やすくなります。

テレビやSNSなどの誘惑を断ち切り、決めた時間は勉強に集中するという、強い時間管理能力が学習継続の力となります。

ポイント③スキマ時間を有効活用する

多忙な学生や社会人にとって、まとまった勉強時間を毎日確保することは容易ではありません。

そこで重要になるのが、日常生活の中に存在するスキマ時間の有効活用です。

例えば、通勤や通学の電車内は、暗記や知識の再確認に最適な時間と言えます。

スマホの学習アプリで一問一答形式の問題を解いたり、予備校の講義を音声で聞いたりするのもいいでしょう。

また、昼休みやアポイントメントの待ち時間など、5〜10分程度の短い時間も無駄にはできません。

事前に準備しておいた論証カードを見返したり、短い事例問題の構成を頭の中で組み立てたりするのに使えます。

短い時間でも、毎日積み重ねれば膨大な学習量になるため、スキマ時間で何をするかをあらかじめ決めておき、すぐに取り組める状態にしておきましょう。

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少ない勉強時間で弁護士になるには?最短合格を目指すコツ

少ない勉強時間で司法試験の最短合格を目指すコツは次のとおりです。

  • 使用教材を絞る
  • 勉強量よりも勉強の質を意識する
  • 過去問に重点を置く
  • 予備校を利用する

それぞれ詳しく解説します。

コツ①使用教材を絞る

最短合格を目指すうえで、使用する教材を絞り込むことは極めて重要です。

試験範囲が広大であるため、不安からさまざまな参考書や問題集に手を出したくなる受験生も多いでしょう。

しかし、複数の教材を中途半端にこなすよりも、信頼できる質の高い基本書やテキストを数種類に絞り、繰り返し読み込んで完璧に理解するほうがはるかに効率的です。

合格者の多くは、予備校のテキストや定評のある基本書を「核」となる教材と定め、そこに判例や過去問演習で得た知識を一元的に書き込んでいく方法を実践しています。

教材を絞ることで知識が分散せず、体系的に整理された状態で記憶に定着しやすくなります。

まずは自分に合った教材を見つけ、浮気せずに徹底的にやり込むという覚悟を持つことが、効率的な学習の第一歩です。

コツ②勉強量よりも勉強の質を意識する

合格に必要な総勉強時間はあくまで目安であり、最終的な合否を左右するのは学習の質といっても過言ではありません。

長時間漫然と机に向かうよりも、短時間でも高い集中力を持って取り組むほうが、学習効果は格段に上がります。

勉強の質を高めるためには、常に目的意識を持つことが大切です。

例えば、テキストを読む際には、ただ文字を追うのではなく、「この論点の核心は何か」「判例はどのような理屈でこの結論を導いているのか」といった点を自問自答しながら、能動的に読み進めることが求められます。

また、インプットした知識が本当に自分のものになっているかを確認するため、学んだ内容を自分の言葉で要約したり、声に出して説明してみたりするのも有効です。

ただし、勉強時間は重要視しないというわけではありません。

長時間ダラダラ勉強することが無意味なだけであって、勉強の質を担保したうえで、3,000〜8,000時間の勉強を確保する必要があります。

コツ③過去問に重点を置く

司法試験や予備試験の対策において、過去問は最高の教材です。

過去問を徹底的に分析することで、出題の傾向、頻出分野、求められる知識のレベル、そして合格答案の書き方まで、合格に必要なあらゆる情報を得ることができます。

インプット学習がある程度進んだら、できるだけ早い段階で過去問演習に着手することがおすすめです。

最初は全く解けなくても気にする必要はありません。

問題を解き、解説をじっくり読み込むことで、学んだ知識が実際の試験でどのように問われるのかを肌で感じることが重要です。

過去問演習を通じて、今後のインプット学習でどこに力を入れるべきかが明確になります。

繰り返し過去問を解くことで知識が定着するだけでなく、時間配分の感覚や答案構成のスキルも飛躍的に向上します。

コツ④予備校を利用する

独学で弁護士になることも不可能ではありません。

しかし、最短での合格を本気で目指すのであれば、予備校の利用は非常におすすめです。

予備校には、長年の指導実績から導き出された合格のためのノウハウが凝縮されています。

試験に合格することに特化して作られたカリキュラムや、最新の出題傾向を分析し尽くした質の高い教材が提供されるため、無駄なく効率的に学習を進めることが可能です。

また、疑問点をすぐに講師に質問できる環境があり、同じ目標を持つ仲間と情報交換をしたり切磋琢磨したりできる環境もあります。

費用はかかりますが、独学で誤った方向に努力してしまい、無駄に時間を費やすリスクを負うよりも、費やす時間を大幅に削減できるのは予備校の大きなメリットと言えるでしょう。

以下の記事では、司法試験・予備試験の予備校のカリキュラムや料金について比較解説しています。「どこの予備校を選べばいいかわからない」という方は、ぜひ参考にしてください。

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まとめ

弁護士になるためには、司法試験・予備試験の合格を目指して3,000〜8,000時間もの勉強が必要とされます。

勉強時間や期間は、学生か社会人かによっても異なり、最短でも2〜3年、一般的には3〜5年かかるのが現実です。

また、法科大学院ルートか予備試験ルートかによっても勉強期間は変わります。

限られた時間の中で効率的に学習を進めるには、綿密な学習計画と時間管理、教材選びや過去問演習の活用が重要です。

最短で合格を目指すなら、質の高い勉強を重ねることに加え、必要に応じて予備校を活用するのも効果的です。

自分のライフスタイルに合った学習方法を選び、継続して努力を重ねることが、弁護士への第一歩となるでしょう。

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