「行政書士は悲惨って本当なの?」
「せっかく資格を取っても食べていけないって聞くけど…」
「安定して稼ぐにはどうすればいいの?」
こんな不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
行政書士は法律系の国家資格として人気がありますが、「稼げない」「仕事がない」といったネガティブな意見も見られます。
その背景には、他士業との競合の多さ、開業後の営業努力や差別化戦略が必要であることなど、さまざまな要因が関係しています。
ただし、正しい戦略と行動次第で安定した収入を得て活躍している行政書士も数多く存在します。
この記事では、「行政書士は悲惨」と言われる理由を客観的に解説するとともに、安定して稼ぐための具体的な方法についても紹介します。資格取得を迷っている方や行政書士として成功を目指す方は、ぜひ最後までご覧ください。
「行政書士は悲惨」と言われる理由6つ
行政書士は悲惨と言われる理由には、大きく次の6つが考えられます。
- 試験に合格してもすぐに稼げるわけではない
- 実務経験ゼロからの開業で苦戦する人が多い
- 競争が激化しており仕事を確保しづらい
- 一般的な知名度や信頼性が低く相談につながりにくい
- 書類作成業務がAIに代替される可能性がある
- 行政書士が活躍できる業務は限定的
それぞれ詳しく解説します。
理由①試験に合格してもすぐに稼げるわけではない
行政書士試験に合格してもすぐに稼げるわけではないので注意が必要です。
行政書士は難関国家資格のひとつで、合格するには努力が必要になるものの、試験合格はあくまでスタートラインであり、そこから実務経験を積んで顧客を開拓していかなければなりません。
特に、独立開業した場合、初めは実績も信用もない状態からのスタートとなるため、集客に苦労するケースも多いです。
また、行政書士の報酬は業務内容や地域によって大きく異なり、特に競争の激しい地域では価格競争に巻き込まれ、十分な収入を得られない可能性もあります。
そのため、試験に合格したからといって、すぐに安定した収入が得られるとは限らないのが現状です。
理由②実務経験ゼロからの開業で苦戦する人が多い
行政書士として独立開業する際、実務経験の有無が大きな差となります。
行政書士の業務は法律や行政手続きに関する専門知識だけでなく、実務的な経験も必要です。
例えば、許認可申請の場合、申請書類の作成だけでなく関係官庁との折衝や交渉も必要となることは少なくありません。
実務経験がない場合、書類作成のノウハウや顧客対応のスキルが不足しているため、業務をスムーズに進めることが難しい場合があります。
理由③競争が激化しており仕事を確保しづらい
行政書士の数は他士業と比べて多く、競争が激しい業界です。さらに、行政書士の業務範囲は広く、さまざまな分野で活躍できる分、他の専門家との競争も避けられません。
各士業の数は次のとおりです。
| 士業名 | 登録者数(人) |
|---|---|
| 行政書士 | 52,734名 (2025年4月1日) |
| 弁護士 | 44,916名 (2023年) |
| 税理士 | 81,696名 (2025年3月末日) |
| 公認会計士 | 35,492名 (2024年4月30日) |
| 司法書士 | 23,387名 (2025年4月1日) |
参照1:各都道府県の行政書士会所在地・会員数等|日本行政書士会連合会
参照2:弁護士人口|日本弁護士連合会
参照3:税理士登録者数|日本税理士会連合会
参照4:日本公認会計士協会 jicpa
参照5:会員数データ|日本司法書士会連合会
行政書士は全国で約52,000人と税理士の次に多いことに加え、他士業と競合する業務も多いです。
例えば、相続手続きの場合、弁護士や税理士も同様の業務を行うことができ、顧客の奪い合いになることもあります。
また、インターネットの普及によって、顧客が自分で情報を収集し、自分でできる手続きは自分で行うケースも増えています。
これまで行政書士に依頼していた書類の作成等の手続きも、今は依頼が少なくなっている状況です。
行政書士として生き残るためには、他の行政書士や専門家との差別化を図り、独自の強みを確立する必要があります。
理由④一般的な知名度や信頼性が低く相談につながりにくい
行政書士は、弁護士や税理士などの他の士業と比べて知名度が低い傾向にあります。
行政書士の存在を知っていても、どのような業務を依頼できるのか、どのようなメリットがあるのか、いくらかかるのかを理解している人は少ないのが現状です。
顧客は、料金が明確で安心して依頼できる専門家を選ぶため、行政書士として顧客を獲得するには、積極的に情報発信を行い、専門性や実績をアピールする必要があります。
理由⑤書類作成業務がAIに代替される可能性がある
近年は、AI技術が発展しており、行政書士の業務にも影響を与え始めています。
行政書士の業務の中でも、単純な書類作成業務はAIによって代替される可能性が高いと考えられています。
AI時代において、行政書士として活躍するためには、AIを活用して人件費を削減したり、業務効率を向上させたりすることが大切です。
また、AIに代替されない高度な専門知識や顧客とのコミュニケーション能力を磨く必要があります。
理由⑥行政書士が活躍できる業務は限定的
一般の人たちが行政書士に依頼するケースは限定的なのも、行政書士が悲惨と言われる理由のひとつです。
行政書士は、法律関係のさまざまな書類の作成・提出を代行することができますが、代替可能な業務も多いので、実際に行政書士に頼るケースは少ないです。
例えば、代替可能な行政書士の業務には以下があります。
【行政書士に依頼するほどではないもの】
- 住民票・戸籍謄本の取得代行
- 婚姻届・離婚届などの作成・提出
- 交通違反の反則金納付手続き
- 内容証明郵便の作成・発送
【他の士業に依頼するケースが多いもの】
- トラブルありの遺産分割協議書の作成(弁護士)
- 債権回収・示談書の作成(弁護士)
- 慰謝料・養育費含む離婚協議書の作成(弁護士や司法書士)
- 不動産売買契約書の作成(司法書士)
- 定款作成・認証など会社設立(司法書士)
- 相続関係説明図の作成(司法書士)
- 就業規則の作成(社労士)
行政書士の独占業務の中には弁護士や社労士なども取り扱える場合が多く、実務上、行政書士だけが扱える業務は限られているのが現状です。
そのため、行政書士として活躍するためには、行政書士が頼られる領域にターゲットを絞り、戦略的に経営していく必要があると言えます。
悲惨な状況に陥る行政書士の特徴とは
悲惨な状況に陥る行政書士には、次のような特徴があります。
- 営業や広報活動を一切しない
- 資金管理が甘く経営が破綻する
- 独立開業を焦って準備不足のまま始めてしまう
- 一般業務ばかりで専門性が身につかない
- 顧客対応スキルが低くリピートにつながらない
それぞれ詳しく解説します。
特徴①営業や広報活動を一切しない
行政書士として成功するためには、営業や広報活動は不可欠で、自ら積極的に顧客を開拓していく必要があります。
しかし、営業や広報活動を一切行わず、顧客からの依頼をただ待っているだけの行政書士もいます。
待ちの姿勢の行政書士は顧客を獲得することができず、収入が安定しない可能性が高いです。
そのため、ホームページやブログを開設して情報発信したり、セミナーや交流会に参加して人脈を広げたりなどの営業・広報活動も行政書士の仕事のひとつです。
特徴②資金管理が甘く経営が破綻する
行政書士として独立開業する場合、資金管理は非常に重要です。しかし、中には資金管理が甘く、経営が破綻してしまう行政書士もいます。
例えば、収入と支出のバランスを把握しないまま経費を無駄に使いすぎたり、税金や社会保険料の支払いを滞納してしまったりすると経営破綻の原因となります。
行政書士を含め、事業者は日頃から帳簿をつけたり、税理士などの専門家と連携したりして、資金の流れを把握することが重要です。
特徴③独立開業を焦って準備不足のまま始めてしまう
独立開業を焦って準備不足のまま始めてしまうのも、行政書士として失敗する原因のひとつです。
事務所の立地や設備を十分に検討せず、必要な備品やIT環境が整っていない状態で開業してしまうと、独立に失敗する可能性があります。
顧客獲得の戦略を立てないまま、「資格さえあれば仕事が来るだろう」と安易に考えて独立するのにも注意が必要です。
行政書士として成功するには、営業計画やターゲット層の明確化、競合分析など、開業前に行うべき準備が数多くあります。
これらを怠ると開業後に思うように仕事が得られず、精神的にも経済的にも追い詰められ、悲惨な状況に陥るかもしれません。
特徴④一般業務ばかりで専門性が身につかない
一般業務ばかりで専門性が身につかないと、行政書士として悲惨な状況に陥る可能性があります。
行政書士の業務は幅広く、会社設立や内容証明、建設業許可など多岐にわたりますが、どの業務も競合が多く、差別化が難しいのが実情です。
特に、初期の段階で顧客獲得を優先するあまり、ニーズの多い一般的な業務ばかりを引き受け続けていると、専門性を磨く機会を逃してしまう可能性があります。
これにより、他の行政書士との差別化ができず、価格競争に巻き込まれやすくなるため注意が必要です。
一方で、外国人の在留資格手続きや農地転用、風俗営業許可などのニッチ分野に強みを持つ行政書士は、安定して受注できるケースもあります。
そのため、行政書士として活躍するためには、特定の分野に特化して専門性を高める戦略も必要と言えます。
特徴⑤顧客対応スキルが低くリピートにつながらない
行政書士の仕事では、書類作成の正確さだけでなく、顧客対応のスキルも極めて重要です。
初回の対応が不親切であったり、説明が専門用語だらけでわかりにくかったりすると、顧客の不信感を招いてしまいます。
また、問い合わせへの返信が遅かったり進捗報告を怠ったりするなど、コミュニケーションの欠如がトラブルの原因になることもあります。
このような対応ではリピートや紹介につながらず、結果として収益が安定しないため、悲惨な状況に陥る可能性が高いです。
行政書士として顧客との信頼関係を築くには、丁寧かつ迅速な対応、わかりやすい説明、顧客の不安に寄り添う姿勢が求められます。
行政書士として安定して稼ぐための準備とは?悲惨にならない方法
行政書士として「悲惨」と言われる状況に陥らないためには、以下5つの対策があります。
- 経営とマーケティングの知識を身につける
- SNSやWebを活用した集客導線を確立する
- 実務講座やOJTで実務能力を高める
- 専門分野を絞ってブランディングを行う
- 顧客満足度を高める対応力を養う
それぞれ詳しく解説します。
方法①経営とマーケティングの知識を身につける
行政書士として独立して活動するには、経営者としての視点が欠かせません。
単に資格を持っているだけでは仕事は舞い込んでこないため、事業をどう成長させるかを常に考える必要があります。
特に大切なのは、顧客を獲得するためのマーケティング戦略や、収支のバランスを保ちながら経費をコントロールし、利益を生み出せる体制を整えることです。
マーケティング戦略では、ターゲットとなる顧客層を明確にし、ニーズに合わせた情報発信を行うことで集客効果を高めることができます。
行政書士は、法律のプロであると同時に経営者でもあるという意識を持つことが大切です。
書籍や講座で経営やマーケティングの基礎を学び、自分の業務に活かすことで、継続的に売上を伸ばす力を養うことができます。
方法②SNSやWebを活用した集客導線を確立する
現代の集客では、SNSやWebを活用したオンライン施策が欠かせません。行政書士の多くがホームページやブログ、SNSを活用して情報発信を行っています。
主な集客動線には以下があります。
- ブログやHP
- X
- LINE公式アカウント
自身の専門分野に関する解説記事をブログに投稿すれば、SEOで検索上位を狙え、潜在顧客の流入が期待できます。
また、XやInstagramなどで日々の業務内容や実績を紹介することで、信頼感を高め、問い合わせへとつなげることが可能です。
そのほか、LINE公式アカウントを活用した顧客管理やリピーター対応も効果的です。
これらのツールは広告費をかけずに集客できるため、開業初期にも非常に有効な手段です。
方法③実務講座やOJTで実務能力を高める
行政書士として顧客に信頼されるためには、資格を持っているだけでなく、実務に対応できるスキルが求められます。
そのため、試験合格後は実務講座を受講したり、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で現場経験を積んだりすることが非常に重要です。
特に、行政書士の業務は役所ごとのローカルルールや手続きの違いが多く、机上の知識だけでは対応できない場面も多々あります。
例えば、許認可申請では担当官とのやりとりや書類の不備チェック、補正対応など、実務的な対応力が求められます。
独学では学びにくい部分も多いため、現役行政書士の下でアシスタント経験を積んだり、開業前に実務特化型の講座を活用したりする方法が有効です。
方法④専門分野を絞ってブランディングを行う
行政書士の業務は多岐にわたるため、あれもこれも手を出すより、特定の分野に絞って専門性を高めることが成功への近道となります。
例えば、建設業許可、風俗営業、入管業務、農地転用などは、それぞれ深い知識が必要な分野であり、これらに特化することで「この分野ならこの先生」として認知されやすくなります。
さらに、専門性が高まると対応のスピードや精度が向上し、顧客満足度も高まりやすいです。
ブランディングとしては、ホームページやSNSにて専門領域を明確に打ち出し、事例や解説コンテンツを発信することが効果的です。
結果として、高単価の案件を安定的に受注できるようになり、価格競争に巻き込まれずに済むでしょう。
方法⑤顧客満足度を高める対応力を養う
行政書士として継続的に依頼を受けるには、顧客満足度の向上が欠かせません。
単に書類を作成して終わりではなく、顧客の立場に立った丁寧な対応やわかりやすい説明が信頼構築につながります。
特に、初回相談では専門用語を避け、平易な言葉で説明することが求められます。また、連絡の迅速さや進捗状況の定期的な報告も重要なポイントです。
これらの積み重ねが安心感を生み、リピートや紹介へとつながっていきます。
さらに、依頼が完了した後もフォローの連絡や手続き後のアドバイスを行うことで、顧客との関係が長期化しやすくなります。
行政書士が活躍できる業務領域
行政書士の業務の中には、他の士業が代替できたりするものも多いです。そのため、行政書士として活躍するためには、他の士業と競合しない領域で専門分野を高めることが大切です。
行政書士が活躍できる業務領域には、主に以下があります。
- 入管業務(在留資格の申請や更新など)
- 許認可業務(建設業、産廃業、風俗営業など)
- 自動車登録、車庫証明
在留資格の手続きをはじめとする入管業務は、他士業との競合がほとんど存在しない業務です。
手続きは複雑で頻繁に変更されるため、行政書士に依頼するケースが多いです。
昨今の外国人労働者や留学生の増加に伴い、在留資格申請や更新、永住許可申請、帰化申請などのニーズは拡大しており、継続的な依頼の獲得も見込めます。
建設業許可や産業廃棄物収集運搬業、風俗営業許可など、許認可業務も行政書士が活躍できる領域のひとつです。
業界の許可取得においては、定型的かつ継続性のある書類作成が必要なため、行政書士に依頼されるケースがほとんどです。
そのほか、自動車登録や車庫証明は、単価が低く他士業が関与することが少ないニッチな業務なので、特に地域密着型の行政書士は活躍しやすい業務と言えます。
今から行政書士を目指すなら通信講座がおすすめ
行政書士を目指すなら、独学にこだわるよりも通信講座の活用を強くおすすめします。
なぜなら、行政書士試験は出題範囲が広く、法律初学者にとっては効率的な学習が困難なことが多いためです。
独学では、重要ポイントを見落としたり誤った理解のまま学習を進めてしまったりするリスクがあります。
さらに、法改正は頻繁に行われており、試験では最新の法律に則った問題が出題されますが、独学では最新の法律をいち早くキャッチアップして内容を理解しなければなりません。
一方、通信講座は合格に必要な知識を体系的に学べるようカリキュラムが組まれており、初心者でも無理なく合格ラインを目指せます。
法改正についても講師が素早くわかりやすく解説してくれるため、効率的な学習が可能です。
また、近年ではスマホやパソコンでスキマ時間に学べる講座も増えており、仕事や育児と両立しながら学ぶ人にとっても心強い味方です。
「独学で時間をムダにするより、最短ルートで合格したい」と感じている方は、まずは無料資料請求から始めてみましょう。
以下の記事では、通信講座のカリキュラムや料金について比較解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
行政書士という資格は、「悲惨」と揶揄されることもありますが、それは現実を正しく理解せず、準備不足のまま開業してしまったケースに多く見られる結果です。
たしかに、資格を取っただけで仕事が舞い込むわけではなく、実務経験の不足や競争の激化、そしてAIの進展といった外的要因も存在します。
しかし、そうした課題はどの業界にも共通するものであり、工夫と努力次第で克服できます。
経営とマーケティングの視点を持ち、オンラインでの集客導線を構築し、実務力を高めて専門分野を確立すれば、安定的に依頼を獲得することは十分に可能です。
「悲惨」という言葉に惑わされるのではなく、自らの力で価値を創り出していくことが重要です。

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