「行政書士の資格って、どんな仕事に活かせるの?」
「就職するならどんな職場がある?」
「資格を活かした就活で注意すべき点は?」
こうした疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
行政書士は独立開業のイメージが強い資格ですが、実際には企業の総務・法務部門、建設業や運送業などの許認可関連業務を扱う企業、または法律事務所や行政書士事務所への就職にも活かすことが可能です。
ただし、行政書士資格を持っているだけで優遇されるとは限らず、実務経験や関連スキルの有無が採用に影響するケースもあります。
この記事では、行政書士資格を活かせる主な仕事や就職先を紹介しつつ、資格を武器に就活を進める際のポイントや注意点についても詳しく解説します。行政書士としてのキャリアを広げたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
これから行政書士の資格取得を目指す場合は、通信講座がおすすめです。
以下の記事で、通信講座の料金やカリキュラムを比較解説しているので、「どの講座を選べばいいかわらかない」という方は、ぜひ合わせてご覧ください。
行政書士資格を活かせる仕事とは?主な就職先5つ
行政書士資格を活かせる仕事として、主な就職先には次の5つがあります。
- 行政書士事務所
- 弁護士事務所や司法書士事務所
- 一般企業の法務部
- 許認可関連の企業(建設業、運送業など)
- 外国人雇用、国際業務に強い企業
それぞれ詳しく解説します。
①行政書士事務所
行政書士事務所は、行政書士が活躍する代表的な職場のひとつです。
各種許認可申請、契約書の作成、遺言書や相続関連書類の作成など、幅広い業務に携わることができ、行政手続きにおいてクライアントのニーズに応える役割が求められます。
また、行政書士事務所での経験は、将来的に独立開業を目指す方にとって貴重な実務経験となります。
実務を通じて、法律知識の深化や業務スキルの向上が期待できるため、キャリアのスタート地点として適しています。
②弁護士事務所や司法書士事務所
弁護士事務所や司法書士事務所でも、行政書士の資格を活かすことが可能です。
弁護士の指示・監督のもと、法的な専門性の高い業務を取り扱う職員を「パラリーガル」といいます。
行政書士は、弁護士事務所や司法書士事務所で、パラリーガルとして書類作成や法的調査、契約書のチェックなどを行います。
他の法律専門家と連携しながら業務を進めることで、幅広い法律知識と実務経験を積むことができ、将来的なキャリアの幅を広げることが可能です。
③一般企業の法務部
一般企業の法務部門において、行政書士の資格を必須とする求人はほとんどありませんが、法的知識があることが評価されやすいです。
法務部では、契約書の作成・審査、コンプライアンスの確保、知的財産の管理など、企業活動における法的リスクの管理を担当します。
特に、建設業や不動産業など、許認可が必要な業種では、行政手続きの専門家としての役割が期待されます。
企業内での法務経験を積むことで、ビジネスの理解を深め、キャリアの幅を広げることが可能です。
④許認可関連の企業(建設業、運送業など)
建設業や運送業など、事業運営において各種許認可が必要な業種の企業では、行政書士の資格が重宝されます。
営業許可や登録申請、更新手続きなど、行政機関への申請業務が日常的に発生するため、行政書士は、これらの手続きを正確かつ迅速に行う役割があります。
また、法改正や制度変更に対応するための情報収集やアドバイスも求められるため、法律知識を活かしたコンサルティング能力も重要です。
⑤外国人雇用、国際業務に強い企業
グローバル化が進む現代において、外国人雇用や国際業務を展開する企業では、行政書士の資格を持つ人材の需要が高いです。
特に、在留資格の取得や更新、外国人社員の労務管理、国際契約書の作成など、複雑な法的手続きが必要とされる場面で、行政書士の専門知識が活かされます。
また、語学力や異文化理解を活かして、国際的なビジネスの橋渡し役として活躍することも可能です。
国際的な視野を持ち、法律知識を活かしたい方には、外国人雇用を支援する企業への就職もおすすめです。
ただし、外国人本人に代わって入管に申請を出す(申請取次)ためには、「申請取次事務研修会」を受講するなどして、法務大臣から認定を受ける必要があります。
外国人の在留資格に関する書類作成や相談だけであれば、認定は不要です。
行政書士資格は就職で有利に働く?資格を活かす就活のポイント
行政書士資格は、法律知識や論理的思考力を備えている証として、就職活動において一定のアピール材料になります。
特に法務や行政対応が関係する業種では評価されやすく、企業に対して「法的リスクに強い人材」であることを印象づけられます。
ただし、資格を持っているだけでは即戦力とはみなされにくく、自身の能力をどう企業に貢献できるかまで具体的に説明できるかが重要です。
資格を活かす場合は、次の3つのポイントを押さえて就職活動・転職活動しましょう。
- 行政書士がどのような資格かを理解しておく
- 資格を持つ自分はどのような能力があるか明確にしておく
- 自分を雇うことで企業にどんなメリットがあるか伝えられるようにしておく
例えば、行政書士試験に向けて独学で計画的に取り組んだ経験を通じて、継続力や自己管理能力をアピールしたり、プレゼンや模擬裁判といった活動で養った実務的な力を伝えたりすることが効果的です。
企業にとってのメリットを意識しながら、自分の強みを自分の言葉で説明できることが、資格を活かした就活のコツです。
行政書士の資格を活かす求人の探し方
基本的に行政書士資格を必須としている求人は少ないです。
行政書士としての業務経験を積む場合は、行政書士事務所や企業の法務部への就職を目指すという選択肢があります。
行政書士の資格を活かす求人の探し方は、主に次のとおりです。
- 求人サイト・就職エージェントを利用する
- ハローワークで探す
- 事務所のホームページをチェックする
- 人材派遣会社に登録する
- 知人の紹介、業界内の人脈を活用する
それぞれ詳しく解説します。
求人サイト・就職エージェントを利用する
求人サイトでは、行政書士資格を活かせる求人情報が掲載されています。
「行政書士」「法務」「許認可」などのキーワードで検索をかけると、全国各地の求人が見つかることがあります。
また、就職エージェントを活用するのも選択肢のひとつです。
専任のアドバイザーが履歴書の添削や面接対策を行ってくれるほか、自分のスキルや希望条件に合った非公開求人を紹介してもらえる場合もあり、ミスマッチの防止にもつながります。
転職活動に自信がない方や、転職が初めての方には転職エージェントを利用するのがおすすめです。
ハローワークで探す
ハローワークは地域密着型の求人が多く、地元で行政書士資格を活かして働きたい方に向いています。
特に、中小企業や個人事務所の求人情報が多く、他の求人サイトには出ていない案件に出会えることもあります。
また、ハローワークでは、相談員によるキャリア相談や履歴書の添削支援、就職セミナーの開催など、求職者の支援が充実している点も特徴です。
ハローワークインターネットサービスを活用すれば、自宅から求人検索や応募することもできます。
事務所のホームページをチェックする
特定の法務事務所や弁護士事務所、司法書士事務所などで働きたい場合は、公式サイトをこまめに確認するのが有効です。
事務所の中には、採用情報を自社のホームページで発信しており、求人情報サイトには掲載されないケースもあります。
行政書士事務所は中小規模であることが多く、求人募集にかかるコストを抑えるためです。
そのため、事務所への就職を検討している方は、マップアプリなどで希望するエリアの近くの事務所を検索し、その事務所の公式サイトに求人情報がないかチェックしてみましょう。
また、採用ページを通じて、事務所の理念や主な業務、スタッフ構成を確認できます。
人材派遣会社に登録する
人材派遣会社では、企業の一時的な人材ニーズに応じた求人を紹介しており、行政書士資格を活かせる業務があることもあります。
派遣として働くことで、複数の職場や業務を経験できるのがメリットです。
就職前に実務経験を積みたい方や、正社員を目指すためのステップとして活用するのもおすすめです。
知人の紹介、業界内の人脈を活用する
知人の紹介、業界内の人脈を活用して就職する方法もあります。
例えば、行政書士会や研修で知り合った同業者など、既存の人脈を活用しましょう。
業界内では、紹介による採用が行われることも多く、信頼関係がある中での推薦は選考に有利に働くことがあります。
また、非公開求人やタイミング次第でしか出回らない求人情報が得られる可能性もあるため、積極的にネットワークを広げておくことが重要です。
行政書士の就職活動の流れは?応募から採用までの進め方を解説
政書士試験に合格し、登録したら就職活動をはじめましょう。応募から採用までの流れは次のとおりです。
- 求人情報を収集
- 履歴書・職務経歴書を作成
- 応募
- 書類選考
- 面接
- 内定・入社準備
行政書士の就職活動は、まず求人サイトや行政書士会を通じて情報を集めましょう。
気になる求人があれば履歴書や職務経歴書を作成・応募し、書類選考に通過すれば面接へと進みます。
応募書類は、資格取得の経緯や活かせるスキルを明記したり、合格実績や関連する法的スキルを具体的に記載するのがポイントです。応募先の業務内容に合わせて書類は調整しましょう。
面接では「なぜ行政書士の資格を取得したか」「どのような業務に関心があるか」といった質問が想定されます。
行政手続きに関する関心や法的知識を、業務への意欲を伝えるほか、実務経験がない人は、法律に関する学習姿勢や今後の成長意欲をしっかり伝えることが大切です。
行政書士の就職先を選ぶときの注意点
行政書士が就職先を選ぶときの注意点には以下があります。
- やりたい業務内容を明確にする
- 将来の独立するかどうか決めておく
- 職場の代表者との相性も重要
それぞれ詳しく解説します。
注意点①やりたい業務内容を明確にする
行政書士の業務は、許認可申請、法人設立、相続・遺言、在留資格関連など多様です。
どの分野に関心があり、どのようなスキルを磨きたいのかを明確にすることでミスマッチを防げます。
例えば、相続や遺言に興味がある場合は相続専門の事務所を選ぶとよいでしょう。
逆に、幅広い業務を経験したいなら、総合事務所を選ぶことで実務力の底上げが期待できます。
また、やりたい業務を明確にすることは、志望動機の説得力にも繋がります。
注意点②将来の独立するかどうか決めておく
行政書士は独立開業できる国家資格であるため、将来的に独立を目指すか否かで就職先の選び方が変わります。
独立志向があるなら、営業力や顧客対応力が養える現場や、実務経験を豊富に積める事務所を選ぶのが理想です。
逆に、独立を考えていない場合は、長く働ける安定性や福利厚生、研修制度が整った企業での就職が向いています。
将来の方向性をある程度固めたうえで就職活動を進めることで、理想と現実のギャップを減らすことができます。
注意点③職場の代表者との相性も重要
小規模な事務所で働く場合、代表者の方針や性格が職場環境に大きな影響を与えます。
代表者と価値観が合わないと、日々の業務にストレスを感じやすくなるため、面接時や見学時にしっかりと見極めましょう。
口コミサイトなどを活用して、実際の雰囲気や働いているスタッフやOBスタッフの意見を聞くことも有効です。
面接時には、代表者のビジョンや業務への姿勢を確認し、自分がその職場でどのように成長できるかをイメージしておくと安心です。
まとめ
行政書士の資格は、行政書士事務所をはじめ、一般企業や許認可関連業界、さらには国際業務まで、さまざまな分野で活用可能な国家資格です。
就職活動においても、法律知識や手続きの専門性を評価されやすく、自身のスキルを具体的にアピールすることで、希望する職場への道が開かれます。
ただし、資格があるだけで自動的に採用されるわけではないため、自分自身の能力や将来像を明確に伝える準備が重要です。

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