社労士になるのに実務経験は必要?実務経験があるとできることや社労士として働くまでの流れを解説

社労士になるのに実務経験は必要?実務経験があるとできることや社労士として働くまでの流れを解説

「社労士になるには実務経験が必要なの?」
「実務経験があるとどんなことができるの?」
「実務経験なしでも社労士として働ける?」

こんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

社労士の試験や登録には要件が定められており、そのひとつが実務経験です。そのため、あらかじめ実務経験を積んでおけば、スムーズに社労士になることができます。

こちらの記事では、社労士になるために実務経験が必要かどうかについて解説するとともに、実務経験があるとできること、社労士として働き始めるまでの流れを詳しくご紹介します。

これから社労士を目指す方やキャリアを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

社労士の実務経験とは?

社労士の実務経験とは?

社会保険労務士(社労士)の実務経験とは、労働社会保険諸法令に関する業務に従事した経験を指します。

具体的には、企業や社会保険労務士事務所などで、人事・労務管理、社会保険・労働保険の手続き、給与計算などの業務を担当した経験が該当します。

これらの業務に携われる仕事には、以下のものがあります。

  • 国や地方公共団体の公務員
  • 健康保険組合や労働保険事務組合など従業員
  • 社会保険労務士事務所や弁護士事務所の補助者
  • 労働組合の専従役員
  • 企業の労務担当役員や人事労務担当者
    など

ただし、たとえば公務員として働いていても社労士に関わる業務を行っていなければ、実務経験として認められないため注意が必要です。

社労士の実務経験があるとできること

社労士の実務経験があるとできること

社労士試験の受験資格になる(通算3年以上)

社労士試験を受験するためには一定の受験資格を満たす必要があります。

その受験資格のひとつとして、労働社会保険諸法令に関する実務経験が通算3年以上あることがあげられます。

実務経験として認められるかどうかは、社労士試験の実施団体である全国社会保険労務士会連合会が個別に判断しており、人事・労務管理に関する業務として認められない可能性もあります。

試験合格後に社労士登録できる(通算2年以上)

社労士試験に合格しただけでは社労士として業務を行うことはできません。

社労士として活動するためには、全国社会保険労務士会連合会に登録する必要があります。

その登録要件のひとつが、労働社会保険諸法令に関する実務経験が通算2年以上あることです。

この実務経験も、受験資格と同様に企業や社会保険労務士事務所、官公庁、労働組合などでの経験が対象となります。そのため、実務経験を証明するためには、「従事期間証明書」を提出しなければなりません。

参照:登録に必要な2年間の実務経験(従事期間証明書)について|全国社会保険労務士会連合会

転職が有利になりやすい

社労士の実務経験があれば、受験資格や登録ができるだけでなく、転職市場において有利な立場に立てるのも特徴です。

特に、企業の人事・労務部門や社会保険労務士事務所では、即戦力となる人材が求められており、実務経験を持つ社労士は需要が高いです。

また、実務経験を通じて培った問題解決能力やコミュニケーション能力は、どのような職場でも活かすことができます。社労士としての知識に加え実務経験があることで、企業側は安心して業務を任せることができます。

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社労士の実務経験がなくても社労士になれる?

社労士の実務経験がなくても社労士になれる?

社労士になるためには、必ずしも実務経験が必要というわけではありません。

実務経験がない場合でも社労士試験の受験資格を満たし試験に合格すれば、社労士として登録することができます。実務経験がない場合の社労士登録方法について、以下に説明します。

実務経験以外の受験資格を満たす

社労士試験の受験資格は、実務経験以外でも満たすことが可能です。社労士試験は、以下いずれかの要件を満たすことで受験資格を得られます。

  • 大学、短期大学、高等専門学校(5年制)を卒業している
  • 労務関係の実務経験が通算3年以上ある
  • 国家資格(行政書士など)を有している

参照:受験資格について|社会保険労務士試験フィシャルサイト

実務経験以外にも、学歴や他の国家資格を保有するといった要件が定められています。

たとえば、大学や短大を卒業している場合や、司法試験や行政書士試験などの国家資格を持っている場合も、受験資格を満たすことができます。

これらの受験資格を満たしていれば、実務経験がなくても社労士試験を受験することが可能です。

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試験合格後に事務指定講習を受ける

社労士試験に合格した後、実務経験が2年に満たない場合は、全国社会保険労務士会連合会が指定する「事務指定講習」を受講することで実務経験と同等とみなされます。

この講習は社労士としての実務に必要な知識や技能を習得するためのもので、講義や演習、実務体験などが行われるものです。

具体的には、4カ月の「通信指導課程」と4日間の「eラーニング講習(または面接指導課程)」の2ステップで行われます。事務指定講習の受講料は77,000円(税込)となっています。

講習を修了することで社労士登録に必要な実務経験の要件を満たすことが可能です。

以下の記事では、実務経験なしで社労士になる方法を紹介しています。事務指定講習の詳細についても解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。

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社労士として働くまでの流れ

1.社労士試験に合格する

まずは社労士試験に合格する必要があります。

社労士試験は、年1回実施される国家試験で、労働に関する法令や社会保険に関する法令など幅広い知識が問われます。

また、社労士試験には各科目で最低獲得点数が設置されており、得意な科目だけで高得点を獲得しても試験で合格することはできません。

社労士試験に合格するためには、合格ラインを把握して各科目バランスよく学習することが大切です。

以下の記事では、社労士試験の合格点や合格率、合格に必要な勉強時間について解説しているので合わせてご覧ください。

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2.都道府県の社労士会に入会する

社労士試験に合格後は、自分が籍を置く事務所がある都道府県の社会保険労務士会(社労士会)に入会します。社労士会は社労士の業務を支援したり、会員の資質向上を図ったりする団体です。

社労士として働くためには、「全国社会保険労務士連合会」に登録する必要があり、その登録には各都道府県の社労士会を通じて行います。

そのため、都道府県の社労士会の入会も必要です。

また、入会するためには入会金や年会費が必要で、登録にかかる費用は以下のとおりです。

  • 登録免許税:30,000円
  • 登録手数料:30,000円
  • 入会金:約30,000円(都道府県により異なる)
  • 年会費:約40,000円(都道府県により異なる)

3.全国社会保険労務士会連合会に登録する

都道府県の社労士会に入会したら、全国社会保険労務士会連合会に登録します。

全国社会保険労務士会連合会に登録することで、正式に社労士として業務を行うことができるようになります。

都道府県の社労士会の入会と同時に登録しましょう。

4.社労士として転職する

社労士として登録が完了したら、いよいよ社労士として働くことになります。

多くの場合、企業の人事・労務部門や社会保険労務士事務所に転職することになります。

社労士の求人は転職サイトや人材紹介会社で見つけることが可能で、転職活動を始める前に、自分のキャリアプランや希望条件を明確にしておくことが大切です。

また、転職エージェントなどを活用するのも効率的に転職活動を行ううえでおすすめです。

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社労士会に入会するメリット

社労士会に入会するメリット

メリット①社労士と名乗れる

社労士会に入会し、全国社会保険労務士会連合会に登録することで、正式に「社会保険労務士」と名乗ることができます。同時に、社労士のみが認められている独占業務を行うことが可能です。

社労士と名乗ることができれば、転職活動でも有利に働くだけではなく、社会的な信用度が高まり顧客からの信頼を得やすくなります。

また、社労士の名称は法律で保護されており、社労士の資格がない人が社労士と名乗ることは禁止されています。

メリット②社労士会のセミナーに参加できる

社労士会に入会すると、社労士会によって定期的に開催されるセミナーや研修会に参加することができます。

これらのセミナーや研修会では、最新の法改正情報や実務に関する知識を学ぶことができるため、社労士として常に最新の情報を把握し、自己研鑽を続けるうえで大切な要素です。

社労士会では、社労士のスキルアップをサポートするそのほかさまざまな機会を提供しています。

メリット③社労士の横のつながりができる

社労士会に入会することで、他の社労士との交流を深められるのもメリットです。

社労士会が定期的に開催しているセミナーに参加する他、行政協力などから、同じ支部に所属する社労士と交流することが可能です。

社労士同士のつながりは情報交換や業務上の協力、相談など、さまざまな場面で役立ちます。

さらに、社労士会を通じてほかの士業との連携を深めることもできます。

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社労士会に入会するデメリットはある?費用がかかる

社労士会に入会するデメリットはある?費用がかかる

社労士会に入会するデメリットとしては、費用がかかるという点が挙げられます。

入会金や年会費、各種セミナーの参加費などが必要となるため、費用負担は無視できません。特に、独立開業したばかりの社労士にとっては費用負担が重く感じられるでしょう。

しかし、社労士会に入会することで得られるメリットは費用負担を上回るものが多いため、社労士として働くつもりの方は社労士に必ず入会しましょう。

まとめ

まとめ実務

労務などの実務経験があると、社労士試験の受験資格や登録要件となるだけでなく、転職においても有利になります。

実務経験がない場合でも受験資格の要件を満たしたり、社労士として登録したりすることは可能ですが、実務経験さえ積んでおけば、将来的に社労士として働きやすくなります。

また、全国社会保険労務士会連合会に登録するかどうかは自由ですが、登録することで社労士としてのキャリア形成が可能になるので、社労士として働きたいと考えている方は、必ず全国社会保険労務士会連合会に登録しましょう。

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