司法試験の難易度を偏差値で例えるとどのくらい?大学受験でどのレベル?試験が難しい理由も解説

司法試験の難易度を偏差値で例えるとどのくらい?大学受験でどのレベル?試験が難しい理由も解説

「司法試験って、大学受験でいうとどれくらいの難しさ?」
「偏差値で例えるとどのレベルなの?」
「なぜそんなに難しいと言われているの?」

そんな疑問や興味を持っている方も多いのではないでしょうか。

司法試験は、日本の資格試験の中でも最難関クラスとされており、合格には膨大な勉強時間と高度な論理的思考力が求められます。

試験範囲の広さや、論文・口述試験の厳しさも、その難易度を引き上げる要因となっています。

この記事では、司法試験の難しさを偏差値や大学受験レベルでイメージできるように解説しながら、試験が難しい理由についてもわかりやすく紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

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目次

司法試験の難易度は例えるとどのくらい?偏差値や大学受験で例えるレベル感

司法試験の難易度を偏差値で換算した場合、一般的には偏差値75以上とされ、トップクラスの学力に位置します。

大学受験に置き換えるなら、東京大学や京都大学といった最難関国立大学の合格レベルに匹敵する難しさと言われることがほとんどです。

もちろん、大学受験と司法試験では問われる能力の質が異なるため、単純な比較はできません。

しかし、合格に必要とされる膨大な勉強時間や、厳しい受験資格を突破したうえでの合格率の低さを考慮すると、その難易度は非常に高いと言えます。

司法試験は東大合格と比べてどっちが難しい?

司法試験と東京大学の合格は、どちらも非常に難易度が高いですが、一般的には「司法試験の方が難しい」と言われることが多いです。

司法試験と東大の入試は、試験の特性が大きく異なるため、単純に比較することはできません。しかし、おおよその偏差値や勉強時間などを比較した表が以下です。

司法試験東大
偏差値75(推定)62.5〜72.5
勉強時間5,000〜8,000時間3,000〜5,000時間
試験科目・短答式:3科目
・論文式:8科目
・共通:5科目
・二次:4科目
合格得点・短答式:約6割
・論文式:約5割
・共通:約8.5〜9割
・二次:約6割
受験資格予備試験に合格する
法科大学院の課程を修了する
のどちらか
高卒、あるいは同等以上の学力

東大合格に必要な勉強時間は3,000〜5,000時間が目安で、司法試験の合格には5,000〜8,000時間、あるいはそれ以上が必要とされています。

また、東大入試は高校までの学習範囲から出題されます。

一方、司法試験は法律の膨大な知識に加え、それを応用して具体的な事案を解決する法的思考力(リーガルマインド)が問われます。

さらに、司法試験は厳しい受験資格があるのも難易度を高めている要因のひとつです。

国家資格の中で司法試験の難易度は何位?

数ある国家資格の中で、司法試験は間違いなく最難関グループに位置します。

司法試験と他の国家資格試験の難易度を比較した表が以下です。

資格合格率勉強時間
弁護士予備試験:約3〜4%
司法試験:約45%
約5,000〜8,000時間
公認会計士約10%約2,500〜5,000時間
行政書士約10〜13%約500~800時間
司法書士約4〜5%約3,000時間
税理士約20%前後約2,000~4,000時間
社労士約6~7%約800〜1,000時間
宅建約15〜17%約200~400時間

行政書士や司法書士をはじめ、法律系の国家資格の中では、司法試験は圧倒的に難易度が高く、多くの勉強時間を必要とすることがわかります。

また、司法試験は、医師国家試験や公認会計士試験と並び、三大国家資格と称されることも多く、その難易度はトップクラスです。

三大国家資格の難易度は、評価軸によって変わるため一概には言えません。

例えば、合格率だけで見れば医師国家試験は90%前後と高いですが、受験資格を得るために高難度の医学部に合格し、6年間の厳しいカリキュラムを修了する必要があります。

また、公認会計士試験は受験資格が比較的緩やかであるものの、合格率は10%前後と低水準です。

どの資格も専門性が高く甲乙つけがたいですが、司法試験が最難関の一つであることは確実です。

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司法試験の難易度が高い理由

司法試験の難易度が極めて高いと言われる背景には、複数の要因が複雑に絡み合っています。主な理由は次のとおりです。

  • 受験資格が厳しい
  • 試験範囲が広い
  • 試験は4日間で行われる
  • 試験形式が短答式と論文式の2種類

それぞれ詳しく解説します。

理由①受験資格が厳しい

司法試験の受験資格を得るには道のりが長く、司法試験の難易度を高めている要因のひとつです。

司法試験を受験するためには、「法科大学院の課程を修了する」か「司法試験予備試験に合格する」のいずれかの条件を満たさなければなりません。

法科大学院ルートは、入学自体は予備試験合格よりはるかに容易ですが、修了までに2〜3年の期間と高額な学費が必要です。

その上で、法科大学院修了者の司法試験合格率は全体で30〜40%台にとどまります。

一方、予備試験ルートは学歴や年齢に関係なく誰でも挑戦できますが、合格率は毎年3〜4%程度という極めて低い数値で推移しており、超難関試験として知られています。

しかし、予備試験を突破した人の司法試験合格率は例年90%を超えており、実力が証明されたエリートが揃うルートです。

どちらの道を選んでも、時間的・金銭的・精神的に大きな負担が伴うため、司法試験の難易度が高い理由と言えます。

理由②試験範囲が広い

司法試験の難易度を押し上げている大きな要因として、試験範囲が広いことが挙げられます。

試験では、公法系の憲法・行政法、民事系の民法・商法・民事訴訟法、刑事系の刑法・刑事訴訟法という「基本7法」と呼ばれる法律科目が必須です。

これに加えて、倒産法、租税法、知的財産法、労働法、環境法、国際関係法(公法系・私法系)の中から1科目を選択する必要があり、合計で8科目もの法律知識が問われます。

それぞれの科目が条文、判例、学説を膨大に含んでおり、すべてを網羅的に学習するには数年単位の時間がかかります。

さらに、単に知識を暗記するだけではなく、各法律の趣旨や制度を深く理解し、それらの知識を相互に関連付けながら、具体的な事案を解決する応用力も必要です。

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理由③試験は4日間で行われる

司法試験は、法律知識や思考力だけでなく、体力と精神力を試される試験でもあります。

なぜなら、中1日の休みを挟んだ5日間のうち、合計4日間にわたって試験が行われるという長丁場の試験スケジュールとなっているためです。

そのうち論文式試験が3日間、短答式試験が1日という構成で、連日朝から夕方まで高い集中力を維持し続けなければなりません。

特に、論文式試験では、複雑な長文の事例問題を読み解き、論理的な答案を時間内に作成するという極めて負荷の高い作業が続きます。

試験期間中は、極度の緊張感とプレッシャーに加え、日ごとに疲労が蓄積していきます。

最終日に向けていかに心身のコンディションを保ち、最後まで思考力を維持できるかが合否を大きく左右します。

理由④試験形式が短答式と論文式の2種類

「短答式試験」と「論文式試験」という、性質の異なる2つの試験形式を突破しなければならないのも、司法試験の難易度が高い理由の一つです。

短答式試験は、憲法・民法・刑法の3科目について、条文や判例の正確な知識を問うマークシート形式の試験です。

ここで一定の基準点に達しなければ、論文式試験の答案は採点されないという「足切り」制度が適用されます。

一方、論文式試験は、具体的な事例問題に対し、法的な問題点を的確に抽出し、自らの見解を論理的な文章で表現する試験です。

知識の応用力や論理的思考力、文章作成能力といった総合的なスキルが試されます。

このように司法試験では、インプットした知識とその知識を使いこなすアウトプット能力の両方を測るため、試験難易度が高いものとなっています。

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司法試験の合格率は?近年は40%前後

司法試験の過去の合格率は次のとおりです。

年度受験者数合格者数合格率
令和6年度3,779人1,592人42.1%
令和5年度3,928人1,781人45.3%
令和4年度3,082人1,403人45.5%
令和3年度3,424人1,421人41.5%
令和2年度3,703人1,450人39.2%
令和元年度4,466人1,502人33.6%

参照:(2)司法試験の合格状況|弁護士連合会

合格率は近年上昇傾向にあり、令和5年度には45.3%を記録するなど40%前後で推移しています。

合格率の数字だけを見ると、他の難関資格と比較して意外と高いと感じるかもしれません。

しかし、司法試験の受験生は誰もが受けられるわけではなく、法科大学院を修了した人など優秀な受験者ばかりで、そのうち合格率は40%前後となっています。

そのため、合格率だけで司法試験の難易度を判断しないようにしましょう。

予備試験合格者と法科大学院修了者の司法試験の合格率

司法試験の合格率は、受験資格を得たルートによって顕著な差が見られます。以下は、ルート別の司法試験の合格率です。

予備試験ルート法科大学院ルート
令和6年度約92.8%約34.8%
令和5年度約92.6%約40.6%
令和4年度約97.5%約37.6%
令和3年度約93.5%約34.6%
令和2年度約89.4%約32.7%

参照:司法試験の結果について – 令和6年司法試験法科大学院等別合格者数等|法務省

予備試験ルートの司法試験合格率は、例年90%を超える非常に高い水準で推移しています。

令和4年度の試験では97.5%に達しており、ほぼ全員が司法試験に合格している計算です。

一方、法科大学院修了者全体の合格率は、30%〜40%台で推移しています。

どこの大学院出身かによって合格率にばらつきがあり、上位の法科大学院は高い合格率を誇るものの、全体としては予備試験合格者との間に大きな差があるのが実情です。

このことから、予備試験は合格率3〜4%という極めて難易度が高いものの、司法試験本番で合格するのに十分な実力を養えるとも言えます。

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司法試験の合格に必要な勉強時間は?5,000〜8,000時間が目安

司法試験の合格を勝ち取るために必要な勉強時間は、一般的に5,000時間〜8,000時間が目安とされています。

これは、法律知識が全くない状態から学習を始めた場合の時間であり、法学部出身者や個人の学習効率によって変動します。

この時間を具体的な生活に落とし込んでみると、その膨大さがよくわかります。

例えば、1日10時間勉強する生活を毎日続けたとしても、5,000時間に達するには約1年半、8,000時間であれば2年以上かかります。

仕事や家事、法科大学院の授業と並行して学習を進める人であれば、合格までに3〜5年、あるいはそれ以上の期間を費やすことも珍しくありません。

ただし、重要なのは勉強時間の長さではなく、勉強の質です。

闇雲に時間をかけるのではなく、いかに効率的に知識を定着させ、答案作成能力を高めていくかという計画的な学習戦略が大切です。

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「司法試験が簡単になった」って本当?合格率は上昇傾向にある

近年、司法試験の合格率が40%台まで上昇していることから、「司法試験は簡単になった」という声を聞くことがあります。

確かに、合格率が20%台前半で推移していた10〜15年前と比較すると、数字の上では大幅に合格しやすくなったように見えます。

しかし、司法試験の合格率が上昇しているのは、受験者数そのものが以前より減少し横ばいになっている影響も否定できません。

毎年1,500人程度の合格者を安定的に輩出していることを考慮すると、受験者数が減れば、結果的に合格率は上昇します。

つまり、試験内容や求められるレベルが易化したわけではなく、競争相手が減ったことによる見かけ上の変化である可能性が高いのです。

結論として、表面的な合格率だけを見て「簡単になった」と判断するのは早計であり、司法試験の本質的な難しさは維持されていると考えるべきです。

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司法試験に受かる人の特徴

司法試験に受かる人の特徴には以下が考えられます。

  • 徹底的に過去問をやりこんでいる
  • インプットとアウトプットのバランスがいい
  • 予備校を利用している

それぞれ詳しく解説します。

特徴①徹底的に過去問をやりこんでいる

司法試験に合格する人に共通する最大の特徴は、例外なく、過去問を徹底的にやりこんでいることです。

過去問は、司法試験の出題形式、問題の難易度、問われる思考プロセスを最も正確に反映した最高の教材です。

合格者は、単に問題を解いて正解を確認するだけでなく、出題趣旨や採点実感を深く読み込み、どのような答案を書けば出題者が求める水準に達するのかを徹底的に分析しています。

過去問をやることで、合格に不可欠な法的思考力や答案作成の型を身体に染み込ませていくのです。

また、時間を計って過去問を解くことで、本番さながらの状況で時間配分の感覚を養い、プレッシャーのかかる中でも実力を発揮する訓練を積んでいます。

過去問演習で見つかった知識の穴を基本書やテキストで埋めることができるため、アウトプット中心の効率的な学習サイクルを確立することが非常に重要です。

特徴②インプットとアウトプットのバランスがいい

司法試験に合格する人は、知識を頭に入れる「インプット」と、その知識を使って問題を解く「アウトプット」のバランスをうまくとっています。

司法試験の勉強を始めたばかりの頃は、基本書を読んだり講義を聞いたりといったインプットに時間を割くのが一般的です。

しかし、効率的な学習ができていない原因の多くが、インプットに偏りすぎてしまうことです。

知識を完璧にしようとするあまり、実際に問題を解く演習(アウトプット)が不足してしまうと、知識がどのように使われるのかを理解できず点数に結びつきません。

一方、合格者は早い段階から過去問や演習書を使ったアウトプット中心の学習に切り替えます。

実際に問題を解くことで、自分に何が足りないのか、どの知識が曖昧なのかを明確にし、その部分を重点的にインプットし直すという効率的なサイクルを回します。

この「アウトプット→インプット」という流れを繰り返すことで、膨大な試験範囲の中から本当に必要な知識を効率よく定着させ、実践的な答案作成能力を高めているのです。

特徴③予備校を利用している

司法試験に合格する人の多くは、独学にこだわらず、予備校を戦略的に活用しています。

もちろん独学で合格する人もいますが、予備校を利用することで、合格までの道のりを大幅に効率化できる可能性が高まります。

予備校の最大のメリットは、長年の指導ノウハウが凝縮されたカリキュラムと、試験傾向を徹底的に分析して作られた質の高い教材を利用できることです。

膨大な試験範囲の中から学ぶべきことの優先順位が明確になり、手探りで勉強するよりもはるかに効率的に学習を進められます。

さらに、最新の法改正や判例に関する情報を得やすく、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できる環境は、長期間にわたる受験勉強のモチベーションを維持する上で大きな助けとなります。

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令和5年度の予備試験では、史上最年少となる16歳の高校2年生が見事合格を果たし、これまでの最年少記録であった17歳を更新しました。

このニュースは、正しい方法論に基づき、高い集中力と効率性をもって学習を継続すれば、若くして合格レベルに到達することが可能であるという事実を証明したことになります。

まとめ

司法試験は大学受験の最高峰である東大合格や、他の難関国家資格と比較しても、最難関クラスに位置する試験であると言えます。

厳しい受験資格や広大な試験範囲、4日間にわたる過酷な試験日程、そして多様な能力が問われる試験形式など、複数の要因が複合的に絡み合っているためです。

近年、合格率は上昇傾向にありますが、試験の難易度そのものが低下したわけではありません。

難関な司法試験を突破するためには、過去問中心の学習や、インプットとアウトプットのバランス、予備校の活用といった戦略的なアプローチが不可欠です。

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